
自分の眼で確かめたかった。
河西航大/KODAI KASAI
電気工学専攻修了
自分に合う風土を見つけたい。
働くにあたって、自分がいちばん大切にしたいことは何か。私の場合、それは「どんな風土で働くのか」ということでした。私は学生時代、電気工学を専攻し、磁石を使わない新しい方式のモータの研究に取り組んでいました。社会に出てからもその研究を究めていきたいという気持ちもありましたが、将来30年40年働くことを思うと、仕事の内容はもちろんですが、働く風土が自分に合うかどうかも重要ではないか。自分が面白いと思える環境でキャリアを積むことができれば、きっと私の技術者人生も充実するはず。それで、いろんなインターンシップに参加して自分に合う風土を見つけたいと思ったのです。Hondaのインターンシップに興味を持ったのは、独特の文化を持ち、技術に対するこだわりが凄いと聞いたから。正直、クルマの開発にそれほど興味はなかったのですが、世間で評判のHondaの風土をぜひ直に感じてみたいと。また、私が研究していたモータというのは、電気自動車など未来のクルマにも必要な技術。モータを使って、これからどんな新しい世界を実現できるのかという可能性にも興味があり、それを確かめてみたいという思いもあって、こちらのインターンシップに応募しました。
その熱さに衝撃を受けた。
私が参加したインターンシップはパワートレイン領域の研究開発を経験するプログラムで、Hondaのエンジニアの方々と一緒に四輪車のエンジンの開発に携わりました。なかでも特に記憶に残っているのが「検証会」というチームミーティング。エンジニアの方がいま抱えている課題の解決策を提案し、チームのみなさんと協議する会議で、私もそこに同席させてもらったのですが、誰かが発言すると他の方から次々とアイデアが寄せられて……目の前の課題を解決することはもちろん、課題をクリアした先のことまで見据えてみなさん自由に意見を出し合い、議論が大いに盛り上がって私も思わず興奮しました。若手の方も自分の考えをどんどんぶつけていましたし、こうした熱い風土だからこそ面白い製品が生まれるのだと、エンジニアの仕事の真髄に触れた思いでした。社員はみなさんフランクで、学生の私のつたない質問にもきちんと誠実に応えてくださりました。活躍されているエンジニアのなかには、高校を中退して生き物の養殖事業を立ち上げ、その後、大学院に通って技術を究めてHondaに入社したという変わった経歴の方もいらっしゃって、本当にいろんな人がいるユニークな企業だなと。そんな個性的なエンジニアの方々との交流も楽しかったです。
解決策を次々と
提案する毎日。
実はHondaの他にも、私が研究していたモータの制御技術が活かせるロボット関連メーカーのインターンシップに参加したのですが、技術者一人一人が自由に意見を発していて、お客様のことを一生懸命想って本当に良いものを作ろうという気概にあふれているHondaの風土が自分に合っていると感じました。現在は、モータではなく敢えてバッテリーの研究開発に関わっています。インターンシップで、技術者のみなさんが未来を見据えて「Hondaの電気自動車はこうあるべきだ」と熱く語る姿に触れ、私もそうありたいと強く思いました。そしてそのためにまず、電気自動車をトータルに理解しなければと考えたのです。インターンシップで経験した「検証会」も、いまは私自身が解決策を提案する立場。先輩方からいろんなアイデアをいただいて議論し、「こうすればもっと性能が上がるのか!」と新たな気づきを得るのが非常に楽しい。そうして自分が考えたバッテリー制御を、試験車に搭載しては走行実験を行い、検証を繰り返しています。これが実際に形になって世の中に送り出されたら、きっと物凄い感動が味わえるに違いない。いまからとても楽しみです。
一定期間、企業にどっぷり浸かることのできるインターンシップは、いままでの自分にはなかった視点や着想を得るとてもいい機会です。いろんな企業のインターンシップに参加し、自分が大切にする芯を見つけて、本当に自分に合う企業に出会ってほしいと思います。
パワートレイン研究開発コースのインターンシップの流れ
座学研修
(ユーザビリティを考慮した検証環境の構築)
対する担当者からの
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